北海道移住で後悔しないために!失敗例から学ぶ4つのポイント

北海道は広大な自然、澄んだ空気、美しい景色と、移住先として多くの魅力があります。実際に、調査会社によるアンケートで、移住先として北海道は常に上位にランキングしています。

都会の喧騒を離れて、のびのびとした生活を求める方々にとって、北海道への移住は夢のように映るかもしれません。しかし、いざ現地での生活を始めてみると、都会では考えられないような苦労に直面し、後悔するケースも少なくありません。

では、どうすれば移住後に後悔せず、充実した北海道生活を楽しめるのでしょうか?今回は、北海道に移住して「失敗した」と感じた4つの例をもとに、その原因と対策を、移住歴5年の筆者が考えてみます。問いに対して、一緒に想像してみましょう。

あなたが北海道移住を考えているなら、ぜひこの失敗談を参考にしてください。

寒さと雪の現実に打ちのめされる

失敗例

「北海道の冬は寒いと聞いていたけれど、想像以上だった」という話を耳にすることがあります。

例えば、ある家族が、夏に訪れたときの爽やかな気候に惹かれて北海道に移住しましたが、冬の寒さや雪の多さを甘く見ていたことに後悔しました。

特に雪が多いエリアでは、自宅や車の雪かきがほぼ毎日の作業となり、体力も時間も取られることに。暖房費も大きな負担になり、想像以上に厳しい冬に精神的にも体力的にも疲れ切ってしまったそうです。いくら暖房をつけても家が十分に暖まらない日が続き、冷え込みが厳しい夜には床が凍ることもありました。

雪が多いエリアとしては、空知地方(岩見沢市や三笠市など)や上川管内の幌加内方面が特に有名で、毎年のようにニュースになっています。
 

なぜ後悔したのか?

北海道の冬は本州以南に比べて過酷です。

日中でも気温が氷点下になり、地域によっては数メートルの積雪があるため、雪かきや凍結防止策が欠かせません。また、冬季の光熱費が家計に大きな影響を与え、暖房や除雪用具のコストも無視できません。

多くの移住者が、冬の現実に対する認識不足で予想以上の出費に直面し、冬に対する対策が十分ではなかったことを後悔することがあります。
 

対策

移住を決意する前に、まず冬の北海道を体験することをおすすめします。

たとえば、冬季に移住予定地へ赴き、移住体験ツアーに参加したり、お試し移住を利用して、短期滞在をするなど、実際の生活環境や気温に触れてみると実体験としてどのような感じか分かります。また、家探しの際には、断熱性の高い住宅か、暖房設備がしっかりしているかもチェックすることが重要です。

なお、公営住宅を利用する場合、自治体によっては暖房設備を借り主が用意する必要がある場合があるため注意が必要です。FF式ストーブは安いものでも10万円前後するため、必要以上の出費になりかねません。このあたりは、移住候補の自治体に聞けば答えてくれます。事前に確認してください。

暖房費を抑えるための工夫や除雪の方法についても事前に情報を集め、どのように生活コストを管理するか具体的な計画を立てましょう。

近所付き合いがうまくいかず孤立してしまう

失敗例

「北海道は広々としていて、あまり人と干渉せずに暮らせそう。」と期待して移住した、ある単身者がいました。しかし、地方特有のコミュニティのつながりが想像以上に強く、慣れない地域行事や人付き合いに負担を感じ、孤立してしまったケースがあります。

例えば、その移住者が移住した先では、頻繁に行われる地元行事への参加が求められ、他の住民との挨拶や世間話も重要視されることが多いです。「ただ一人で静かに暮らしたかったのに…。」と感じるようになり、結果として地域の輪に入りきれず、寂しさを感じることになったと言います。


なぜ後悔したのか?

都会で生活していると、隣近所との関係が薄いことが普通になっていますが、地方ではコミュニティの一員としての役割が期待されることが比較的多いです。

移住者が無関心に見えると、地域住民から距離を置かれたり、コミュニケーションに不和が生じやすい状況が発生することもあります。また、地域に馴染めないと孤立感が深まり、地域の一員としての安心感や居場所を感じにくくなることも少なくありません。


対策

まずは、地域の文化や習慣についてリサーチし、移住前に「どのようなつながりが求められているのか。」を理解することが重要です。

もし、地元行事や地域の付き合いに抵抗があるなら、移住先を選ぶ段階でコミュニティの雰囲気を重視し、相談しながら適切なエリアを選ぶと良いでしょう。このあたりは、移住候補の自治体や、移住相談を請け負っているNPO法人などに聞くことができます。

また、北海道各地には移住者向けの交流会や支援センターもあり、そうしたイベントを活用することで、移住前から地域との関係を築きやすくなります。

買い物や医療機関が遠くて生活が不便

失敗例

「自然豊かな場所で、のんびりと自給自足のような生活がしたい。」と考えて移住したある夫婦がいました。

しかし、実際に移住してみると、最寄りのスーパーまで車で1時間以上、医療機関も遠く、いざという時にすぐに駆け込むことができない現実に直面しました。また、公共交通機関がほとんどないため、車を持っていなかった夫婦は買い物や外出することが、大きな負担になってしまったそうです。
 

なぜ後悔したのか?

北海道でも、都市部(札幌市や旭川市をはじめとした市のつく自治体)ではなく、山間部や過疎地域へ移住しての生活は、移動手段が確保されていないと、基本的な生活の維持が困難になることが多いです。

車を所有していないと自由に移動することが難しく、買い物や医療面で不便を感じるようになります。特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、近くに医療機関がないことは大きなリスクにもなり得ます。北海道は広大な地域に施設が分散しているため、車が生活必需品といっても過言ではありません。
 

対策

移住先の生活インフラについて事前にしっかり調査し、買い物や医療機関までの距離とアクセス方法を確認しましょう。

もし車を持っていない場合は、移住後に車を購入する計画を立てたり、運転免許を取得する準備をしておくことをおすすめします。また、住む地域によっては移動手段がさらに限られるため、事前に交通環境についてもチェックしておくことが大切です。

仕事が見つからず経済的に不安定になる

失敗例

「自然に囲まれた場所で、心の豊かさを求めて生活したい。」と望んで移住したものの、現地で仕事が見つからずに経済的な不安に直面した例です。

特に専門職や特定の業種に就いていた人は、地方での仕事の選択肢が限られていることが多く、予想以上に仕事が見つからずに収入が不安定になることがありました。さらに、地域によっては平均給与が低いため、以前の生活水準を維持できずに悩む人も少なくないと言います。
 

なぜ後悔したのか?

地方では、職種やスキルによっては求人が少ないことが多く、都会での同じ仕事や収入が得られない場合もあります。さらに、北海道は広い土地を持つ一方で、産業が地域によって異なり、雇用機会も地域差が大きいため、移住者が想定していた生活費の維持が難しくなることもあります。

リモートワークが可能な職業でない場合、定職が見つからないことが不安定さを生み出し、移住後の生活が不安定になりがちです。
 

対策

移住前に現地の雇用環境について十分な情報収集を行いましょう。また、リモートワークが可能な職業や副業の可能性を検討することで、収入源を確保できるように準備を進めておくことも重要です。

自治体によっては移住者向けの就業支援制度が整備されている場合もありますし、ハローワークも各エリア(すべての自治体にではなく、エリアごとに設置されています。)にあるため、これらを活用することで就業の選択肢を広げることができます。

また、起業や就農に力を入れている自治体も多くあるため、就職ではなく、起業、就農といった方向で考えるのもよいです。すべての自治体ではありませんが、地域おこし協力隊制度を活用して、一定期間(最大3年間)の助走期間を経て、起業するというケースも増えてきています。