のんの畑

札幌市で大手食品会社の営業をしていた川端さん。当麻町に移住した当初は借家住まいでしたが、現在は住宅付きの農地を購入し、農業を営んでいます。

栽培している作物は何ですか?

無農薬、無化学肥料で自然のまま育てることにこだわり、トマト、ミディトマト、パプリカを栽培しています。

なぜ札幌という都会から田舎町に移住しようと思われたのですか?

自然が豊富な場所で暮らすことに憧れがありました。

当麻町に住む決め手となったのは何でしょうか?

他の町で新規に就農した人と話した時に、町や町民の理解度も含めて「結構ハードルが高い」という人が多くて… 。

当麻町に決めたのは、新規就農者の支援事業が比較的多かったのはもちろんですが、新規就農者の前例が多かったことと、有機農業に対して理解があったことです。

先駆者の方たちが土壌を築き上げてくれたから、自分が農業を経営することができていると思います。

どのように農業技術を培っていったのですか?

はじめの2年間は国の制度を使って、町内の農家で研修を受けました。わからないことがたくさんあったのですが、町内には相談に乗ってくれる先輩農家さんがいて…すごく助けになりました。

農業が甘くないというのは日々感じています。しかし自然環境がよく、新規就農に対する町や町民の皆さんの理解は非常に髙い町だと思います。

川端さんが運営するのんの畑のウェブサイトです。

フェイスブックページもあります。

コーヒーとカレーの店 MERB

旭川東高等学校の前にあり地元の方に親しまれてきた老舗カレー店「米々亭」。

多くのファンに惜しまれつつその暖簾を下ろしましたが、長年、厨房でその味を守り続けてきた斎藤さんが、道の駅とうま横にあったラーメン店を改修し、「コーヒーとカレーの店MERB」として新たなスタートを切りました。

「あの味が当麻で食べれる」と大人気。店舗の改修には「とうまのお店元気事業」を活用しています。

※「とうまのお店元気事業」は現在、事業内容を拡大し、当麻町商工業振興補助金のメニューに含まれています。

起業は、米々亭閉店時から決めていたのですか?

暖簾を下ろしたときは他の仕事を探そうと思っていました。長年厨房を守ってきた立場として“この味を守る責任があるのでは?”と思っていたのですが、起業にはお金が掛かるので…。

起業を決断したきっかけをお聞かせください。

現在の店舗でお店をやらないか?と声を掛けていただいたことと、当麻町から補助金で応援していただいたことです。店舗と補助金が無かったら起業できませんでした。

もしかしたらあの名店の味は無くなっていたのかもしれないですね。

そう思います。嬉しいことに今でも米々亭時代の常連さんが足を運んでくれるんですよ。

コーヒーとカレーの店 MERB

北海道上川郡当麻町宇園別2区

電話 0166-56-7662

Nostalgic JAPAN 和のみ

「Nostalgic JAPAN 和のみ」さんは、旭川市に店舗を構えていましたが、平成29年11月に当麻町に新築移転しました。店舗の建築には「とうまのお店元気事業」と「店舗等新築木材補助金」を活用しています。

※「とうまのお店元気事業」と「店舗等新築木材補助金」は現在、事業内容を拡大し、当麻町商工業振興補助金のメニューに含まれています。

旭川を離れてまで、当麻に移転した理由は何ですか?

大雪山の見える場所で店舗を持ちたいという夢がありました。

この場所は窓を覗くと雄大な大雪山の風景が広がります。また富良野美瑛方面から旭山動物園、大雪森のガーデンとつながっている道道沿いということが集客に関して将来的な展望があると感じました。

町の補助金も移転を決める後押しになりましたか?

もちろんです。お店を新築するということは非常に資金が掛かることなので。それを補助してくれるのはすごく大きなことです。

実際に当麻に住んだ感想はいかがでしょう?

窓から見える絶景に毎日感動しています。

見えるものは同じでも、空気や気候により、日々違った表情を見ることができるんですよ。移住してよかったと思っています。

Nostalgic JAPAN 和のみ

北海道上川郡当麻町6条東4丁目1-6

電話 0166-56-5011

boulangerie 廻りみち

千歳市の大手パン会社、恵庭のパン屋に勤めていた會津さん夫妻は、「自分のパンを作りたい」という思いから北海道内で店舗を開店する土地を探しました。偶然の縁で平成29年8月1日、JR当麻駅前に新規起業しています。店舗新築には「とうまのお店元気事業」と「店舗等新築木材補助金」を活用しています。

※「とうまのお店元気事業」と「店舗等新築木材補助金」は現在、事業内容を拡大し、当麻町商工業振興補助金のメニューに含まれています。

道内ほぼ全域を巡り店舗地を探したそうですが、その中でなぜ当麻町を選んだのですか?

きっかけは不動産業者さんに勧められたことだったんです。

実は当麻という町の存在は知りませんでした。この土地に訪れた時に静寂さ、景色が心地よく感じたんです。フィーリングがぴったりと合い、ここに住みたいと思いました。

他にもこの場所のお気に入りポイントはありますか?

近くに製材工場があり、風向きで木の香りが流れてきます。この香りが大好きでお気に入りのポイントですね。

ご自身のお店に町産木材が使われていることについてどう思いますか?

木が好きなのですごくうれしいです。近くの製材工場で作られた木材ということも良いですね。町産木材には証明するマークが入っているので建築現場を訪れるたび感激していました。

boulangerie 廻りみち

北海道上川郡当麻町4条南3丁目4-10

電話 0166-56-0377

ムーンロイド その1

いちばん北海道らしい、大雪山が見える場所を探していました。

「北海道ブランド」のアパレルを創り出したい

「北国のためのダウンジャケットを作ろうと思ったのがきっかけです。」

そう語る甲斐綾乃さんは、アパレルショップ「ムーンロイド」の代表を務めている。

ムーンロイドとは、どういったお店なのでしょうか?

服やバックなどのアパレル製品を販売しています。よくある小売店と違うのは、自分たちで商品企画をしたり、メーカーに別注して、ムーンロイドオリジナルのデザインを反映したりしてもらったりと、ここでしか取り扱っていないものなども多く販売している点。

旭川に店舗を構えていましたが、2017年10月に当麻町へ店舗を移すことになりました。

当麻町に決めた理由を教えて下さい。

私たちがオリジナル商品を作るにあたって意識しているのは、アパレル業界においての「北海道」というブランド価値を生み出せるものを創るということ。次の展開を考えたときに「もっとも北海道らしい」場所への移転を検討しました。

北海道らしい土地柄で寒いこと、雪があることが最初の条件でしたが、最終的には未来へ向かってどんどんチャレンジしようという町のエネルギーに惚れ込んでここを選びました。

体験としてのショッピングを見直す

こうして生まれたダウンジャケットは「最強のダウンジャケット」。羽毛のかさ高をフィルパワーと呼ぶのだそうだが、通常は高級品と言われる商品が550FP以上なのに対して、ムーンロイドのダウンジャケットは940FPだとのこと。それゆえ価格もそこそこするのだが、あっという間に完売しているというから、その品質は折り紙付きだ。

旭川という人の集まる大きな都市から当麻町へというのは難しいのでは?

よく言われるんですが、実は私たちはそうは感じていないのです。

ショッピングに効率や利便性を求めると、最終的にはネット通販に行き着くのではないかと思っています。反対に、旅行や外食のように、ショッピングを一種の体験として考えると、実際の店舗でしか表現できません。そういった体験として位置づけると、大都市よりも当麻町のような土地の方が、お店に来ていただく過程や車での道のりを含めて一つのコンテンツとして表現しやすいと考えています。

ですので、当麻町に移転するというのはチャレンジという部類のものではなく、私たちの中では、一つの必然的な理由として確立している気がします。

当麻町の魅力とは何でしょう?

北海道らしいところ。四季の美しい緑や白銀の世界、石狩川、そして大雪山など、全国や海外の皆さんに分かりやすく、北海道というブランドをお伝えできる風景が揃っていて、とても素晴らしいと思います。

新しい店舗はくるみなの木遊館の斜め向かいにありますが。

眼の前に大雪山が見えるんです。この景色が本当に好きで、お店の建物は、雨や風にさらされ経年劣化していく過程で価値が下がるものではなく、その変化が味となり、価値が高まっているものにしたいと考えていたときに、築80年以上になる北海道大学の研究施設を移設できるという話をいただきました。当時だから可能だった、北海道の一本木を使用した合掌造りの構造体を移転しています。人工的には作り出せない80年の時を刻んだ梁(りょう)や柱は味わい深く、表情も豊かです。

また、内装はあえてシンプルに、プレーンな印象に仕上げています。白いキャンバスに一つ一つの商品を配置するイメージ。その中で唯一の装飾といえば大きな正方形の窓から見える絵画のような大雪山です。

商品の色味がブレないようなライティングや、ゆっくりと試着できる畳を使用したフィッティングルームなど、ショッピングのしやすさには気をつけました。もちろん、当麻町から補助金をいただけることになったのも、新築物件に挑戦する後押しになっています。

最後に、この先、当麻町でやってみたいことがあれば教えて下さい。

「北海道発信のアパレル」を日本だけでなく、世界のマーケットに向けて体現していきたいと思っています。

最近では地方発信が当たり前になってきましたが、アパレルの分野ではまだまだ一般的ではありません。それを実現するための要素として、当麻町は非常に面白いフィールドになると考えています。

MOONLOID(ムーンロイド)

北海道上川郡当麻町六条東4丁目1-7

Tel 0166-58-8008

ムーンロイド その2

MOONLOIDさんは平成29年10月に旭川から移転しました。

良い意味で田舎町には異質な“お洒落なアパレルショップ”です。アウトドアブランド「NANGA」の独自ブランド「NANGA WHITE LABEL」を展開するほか、著名ブランドの商品にアレンジを加えた商品を取り扱い、ネット販売でも上位の売り上げを誇る同店が、店頭販売にも力を注ごうと選んだ土地が当麻町です。

店舗は幌加内にあった北海道大学の製材工場を移築して活用。当時の雰囲気にできるだけ手を加えず、建物の持つ“味わい”を活かし、かつお洒落な空間を作り出しています。店舗建築には「とうまのお店元気事業」と「歴史的建物の木材活用補助金」を活用しています。

※「とうまのお店元気事業」は現在、事業内容を拡大し、当麻町商工業振興補助金のメニューに含まれています。「歴史的建物の木材活用補助金」は現在行っておりません。

建物が築約70年ということですが、この建物をあえて使った理由は何ですか?

私たちはアパレル会社なので、衣服や装飾品を取り扱うのですが、こういうものは、しっかりメンテナンスをし、長年愛用することによって“しっくりした”味わいが生まれます。

建物においても新築のものより長年愛用されてきたものの方が深い味わいがあると考え、この建造物を活用しました。

NANGA WHITE LEBELはダウンジャケットが主力ですが、“北海道発”ということにこだわっているとお聞きしました。その理由をお聞かせください。

特産品で北海道の名が付いた食べ物は“美味しそう”と感じる方が多いと思います。ダウンジャケットも北海道発と聞くと“暖かそう”と感じるはず。そのため“北海道発”にこだわりを持っています。

当麻町という片田舎にお洒落なアパレルショップがあることにどうしても違和感を感じてしまうのですが、何か理由があるのですか?

それが当麻町を選んだもう一つの理由です。

意外性という意味で選んだわけではなく、当麻に来るまでの道のりが一つの旅だと思っています。自然溢れる道のりを楽しみながら当社にお越しいただきたいと思っています。

新店舗を建てるにあたり旭川市や東川町も候補地に挙げていました。しかしどちらも町のイメージが強かった。良い意味で何色にも染まっていない当麻町は面白いと感じました。

MOONLOID(ムーンロイド)

北海道上川郡当麻町六条東4丁目1-7

Tel 0166-58-8008